【給排水管メンテナンス入門】第6回 【給水管編】おいしい水と水圧を守るために必要なメンテナンスの基礎知識
はじめに
これまでの連載では、給排水管の老朽化リスクや、「更新(引き直し)」「更生(ライニング)」という2つの解決策についてお伝えしてきました。
今回からは、私たちが毎日使う水まわりの設備をさらに深掘りし、【給水管】にスポットを当てて解説します。
給水管は、文字通り「綺麗な水を各部屋まで届ける管」です。テナント様や入居者様が「飲む」「料理に使う」「顔を洗う」といった、健康や衛生にダイレクトに直結する重要なインフラだからこそ、トラブルが起きたときのクレームや退去リスクは非常に高くなります。
オーナー様として知っておきたい、給水管ならではの特徴とメンテナンスの基礎知識をまとめました。

1. 給水管で最も起きやすい「2大トラブル」
① 「赤水・サビ水」による衛生環境の悪化
築年数が経ったビルで特に多いのが、朝一番に水道をひねった際に出てくる「赤い水」や「茶色い水」です。
これは管の内部に発生したサビが原因です。
見た目の不快感はもちろん、鉄臭さや味の異変、さらには白い衣類が洗濯で茶色く染まってしまうなど、日常生活やテナント様の営業に深刻な支障をきたします。
② 水圧の低下(上の階ほどシャワーが弱いなど)
給水管の内部に「サビ瘤(サビのこぶ)」ができると、水が通る道がどんどん狭くなります。これにより、特に水を多く使う時間帯に「上の階の部屋だけ極端に水圧が下がる」「シャワーの勢いがなくなる」といった現象が起きます。
飲食店が入るテナントビルの場合、水圧の低下は死活問題となります。

2. ビルの給水方式によって変わる、メンテナンスのポイント
ビルやマンションの給水システムには、主にいくつかの方式があり、それぞれメンテナンスすべき場所が異なります。
① 高架水槽方式(受水槽+屋上タンク)
一度、地下や1階の「受水槽」に水を溜め、ポンプで屋上の「高架水槽」へ汲み上げてから、重力を利用して各階に給水する方式です。
o 注意点: 管だけでなく、水槽自体の定期的な清掃や消毒(法的な義務)が必要です。また、屋上タンクから各階へ下りていく縦管(主配管)の劣化が進みやすい特徴があります。
② 直結増圧方式(ポンプで直接汲み上げる):
水槽を置かず、水道本管からの水を増圧ポンプを使って各階へ直接送る方式です。
o 注意点: 水槽の清掃は不要ですが、常に高い圧力が配管にかかり続けるため、配管の継ぎ手(ジョイント部分)や古い管の弱い部分からピンホール漏水(微量な水漏れ)が起きやすい傾向があります。
3. 給水管の寿命を延ばす!適切なメンテナンス時期の目安
大切な給水管を長持ちさせ、高額な修理費用を発生させないための一般的なタイムラインは以下の通りです。

※使用されている管の材質(亜鉛メッキ鋼管、塩化ビニル被覆鋼管など)によって前後します。
まとめ:給水管の異変は「テナントの信頼失墜」のサイン
給水管のトラブルは、ビルの「おもてなし」や「衛生管理」の質を著しく下げてしまいます。一度でも「あのビルの水は汚い」「水圧が低くて使い物にならない」という悪評が立つと、テナントの退去や賃料を下げざるを得ない状況に追い込まれかねません。
まずは「受水槽の点検」と合わせて、「各部屋へ繋がる配管そのものの健康状態」にも目を向けてみてください。
次回は、給水管のペアとなる、「第7回:【排水管編】詰まり・異音・悪臭を防ぐ!見落としがちな排水管メンテナンスの重要性」をお届けします。油汚れや異物が詰まりやすい排水管ならではの、恐ろしいトラブルと対策を解説します!
★ビオスからのワンポイントアドバイス
「受水槽は毎年業者に掃除してもらっているから安心」と思われているオーナー様、実はその先の「お部屋に繋がる配管の中」までは水槽の清掃業者ではチェックしていないケースがほとんどです。
水槽が綺麗でも、管がサビていては意味がありません。
ぜひ、配管のプロであるビオスに、管内の「内視鏡カメラ調査」をお任せください。
2026年10月 2日掲載
