【ビルピット(汚水溜め)シリーズ】第5回 そもそも汚水を溜めない!「即時排水型ビルピット」による根本的な悪臭ゼロ対策
はじめに
前回の第4回記事では、大きすぎる排水槽を現在のビルに合わせてコンパクトにする「槽の縮小(適正化)」について解説しました。
水位の調整、タイマー制御、槽の縮小と対策を重ねることで臭いは大幅に改善されますが、「汚水が一定時間溜まる」という構造自体を失くすわけではありません。
シリーズ第5回となる今回は、腐敗の原因となる“溜め置き”を一切なくし、流れてきた汚水をその場で直接汲み出す「即時排水型ビルピット」について詳しくご紹介します。

即時排水型ビルピットとは
目的:汚水を「溜める」概念をなくし、腐敗の発生を100%防ぐ
従来のビルピットは、コンクリートの大きなピット(槽)に一定量の水が溜まるのを待ってからポンプで汲み出す構造のため、どうしても腐敗のリスクが残ります。
今回の対策の目的は、汚水を槽内に一切溜め込まず、流れ込んできた瞬間にそのまま汲み出す環境を作ることです。
悪臭や悪臭ガスの発生源そのものを完全になくします。

方法:密閉型タンクと特殊ポンプによる「ダイレクト排水」の導入
具体的な方法は、地下のコンクリートピット内に「小型の密閉型ステンレス(または樹脂)タンク」と専用排水ポンプを設置し、流入した汚水を即座に圧送排水するシステムへ改修することです。
水が溜まるのを待たずに配管から直接密閉タンクに入り、すぐに外へ排出されるため、汚水が空気に触れて腐敗する隙を与えません。

この対策が特に効果的なケース
この「即時排水型ビルピット」への刷新は、以下のような高度な衛生管理が求められる現場や、従来の対策では限界があった建物で絶大な効果を発揮します。
• 飲食店、食品を扱う店舗、病院など、臭いや衛生面でのトラブルが許されない施設
• ビルピットの構造上、汚水が停滞しやすく過去に何度も悪臭クレームが起きている現場
• 地下街や地下店舗で、定期的なピット清掃や悪臭対策のランニングコストを削減したい場合
※注意点とアドバイス
即時排水型ビルピットは非常に強力な悪臭対策ですが、既存のコンクリート槽の中に新しいタンク設備一式を組み込む「設備更新工事」となります。
導入にあたっては、設置スペースの確保はもちろん、ピーク時の瞬間的な排水量に耐えられる「ポンプ容量の正確な選定」や、万が一の停電・故障時に備えた「予備ポンプ・警報装置の設計」が極めて重要です。
導入を検討する際は、ビルピット改修の施工実績が豊富な専門業者に事前調査を依頼しましょう。
次回予告
今回は、汚水を溜めずにその場で汲み出す「即時排水型ビルピット」について解説しました。
ここまで5回にわたり、水位調整から設備の根本改修まで、様々な角度からビルピットの臭気対策をお伝えしてきました。
次回(第6回)は本シリーズの最終回として、どうしても水が留まる現場で有効な「曝気(ばっき)・通気設備の設置」と、これまでの対策を現場に合わせてどう選ぶべきかの「ビルピット臭気対策・総まとめ」をお届けします!
ぜひ最後までご覧ください。
ビオスの給排水管更新工事について
ビルピットの根本改修から、建物全体の配管リニューアルまで。
即時排水型へのシステム変更は、老朽化したポンプや制御盤、配管を一新し、建物のインフラを劇的に若返らせる絶好のチャンスです。
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2026年 9月 3日掲載
