1【ビルピット(汚水溜め)シリーズ】 / 給排水処理技術

【ビルピット(汚水溜め)シリーズ】第4回 大きすぎる排水槽が臭いの原因?「槽の縮小(適正化)」による抜本的な悪臭対策

はじめに

前回の第3回記事では、夜間や休日など排水が少ない時間帯の腐敗を防ぐため、時間で強制的に排水する「タイマー併用運転」について解説しました。
ここまで水位の調整や時間の制御といった「運用の見直し」をお伝えしてきましたが、これらを行ってもなお解決しない頑固な臭いがあります。 その原因は、そもそも「排水槽のサイズ自体が、現在の建物の排水量に対して大きすぎる」からかもしれません。
シリーズ第4回となる今回は、排水槽を現在のビルに最適なサイズへと生まれ変わらせる、一歩踏み込んだ抜本的対策「槽の縮小による適正化」についてご紹介します。

槽の縮小による適正化

目的:建物の「実際の排水量」と「槽の容量」のアンバランスを解消する
高度経済成長期やバブル期に建てられたビル、あるいはテナントの入れ替わりによって水の使用量が大幅に減ったビルでは、排水槽が「過大(大きすぎる)」になっているケースが多々あります。
今回の対策の目的は、現在の建物の実態に合わせて排水槽の容積を小さくし、汚水が槽内に長く留まる原因そのものを根本から断つことです。

方法:コンクリートやパネルで壁を作り、有効容量を小さくする
具体的な方法は、排水槽(ビルピット)の内部にコンクリートを打設したり、耐食性のパネル(隔壁)を設置したりすることで、物理的に槽の容積を縮小することです。
これにより、何も対策をしていない状態に比べて、汚水が溜まるスピードと排出されるサイクルの回転率が劇的に向上し、腐敗が始まる前に外へ汲み出すことができるようになります。

この対策が特に効果的なケース

この「槽の縮小」は、以下のような構造的・経年的な要因を抱えている現場で特に大きな効果を発揮します。
 • ビルの用途変更(例:飲食店街からオフィスビルへの変更など)で、劇的に排水量が減った場合
 • これまでの水位調整やタイマー運転だけでは、十分に滞留時間を短縮できなかった場合
 • 排水槽の底面積が広すぎて、少しの水位上昇にも膨大な排水量が必要な場合

※注意点とアドバイス
槽の縮小は、ビルピットの構造を物理的に変える専門的な「建築・設備工事」となります。
そのため、工事を行う前には必ず「現在のビル全体の正確な排水量」を算出する事前の調査・シミュレーションが不可欠です。
もし計算を誤って槽を小さくしすぎてしまうと、大雨の際やトイレの使用が集中する時間帯に排水が追いつかなくなり、最悪の場合は「槽からのあふれ(オーバーフロー)」を引き起こす危険性があります。
安全マージンをしっかり見極められる信頼できる業者へ依頼しましょう。

次回予告
今回は、大きすぎる排水槽を現在の利用実態に合わせて小さくする「槽の縮小による適正化」について解説しました。
水位、時間、そして槽の容積と、ここまで「汚水をいかに溜めずに早く出すか」という視点で対策をご紹介してきましたが、ビルピットの形状や構造によっては、どうしても一定時間の滞留が避けられない場合もあります。
そこで次回(第5回)は、槽の中に残ってしまった汚水そのものの性質を変えて臭いを元から絶つ、「曝気(ばっき)・通気設備の設置」について詳しくご紹介します。
ぜひ次回もご覧ください!

ビオスの給排水管更新工事について

排水槽の構造改修から、ビル全体の配管リニューアルまで。
ビルピットの「槽の縮小」のような大規模な設備改修は、建物全体の給排水バランスを最適化する絶好のタイミングでもあります。
「古いビルの排水臭がずっと気になっている」「テナント構成が変わったので給排水設備全体を見直したい」とお悩みではありませんか?

株式会社ビオスでは、排水槽の物理的な改修工事はもちろん、経年劣化した配管のトラブルを根本から解決する「給排水管更新工事」で豊富な施工実績を誇ります。
的確な事前調査に基づき、お客様のビルに最も安全で効果的な改修プランをご提案いたします。

給排水管更新工事へ

ビオスへのお問合せはコチラ

2026年 8月 5日掲載