1【ビルピット(汚水溜め)シリーズ】

【ビルピット(汚水溜め)シリーズ】第3回 夜間の滞留を防ぐ!タイマー設定でビルピットをクリーンに保つ方法

はじめに

前回の第2回記事では、ポンプが動き出す位置(始動水位=Hレベル)を下げることで、一回に溜まる汚水の量を少なくし、こまめに排水する対策を解説しました。
しかし、オフィスビルの夜間や休日など、「そもそも水がほとんど流れ込んでこない時間帯」はどうでしょうか? 水位がHレベルに達するまで何時間も汚水が槽内に溜まったままになり、その間に腐敗が進んでしまうという盲点があります。
シリーズ第3回となる今回は、水位に関係なく時間で強制的に排水をコントロールする「タイマー併用運転」について詳しくご紹介します。

「タイマー併用運転」とは

目的:汚水が溜まっている「時間」を上限2時間に強制リセットする
排水槽内の滞留汚水が多いと、翌朝など「その日最初のポンプアップ」の際に、一気に強烈な臭気が発生する可能性が非常に高くなります。
今回の対策の目的は、排水が排水槽内に滞留する時間を確実に短くすることです。 水が溜まるのを「待つ」のではなく、時間で区切って強制的に外へ汲み出します。

方法:制御盤内にタイマーを設置し、2時間ごとに排水する具体的な方法は、排水ポンプの運転制御を「タイマー併用方式」へと変更し、最長でも2時間以内ごとに一度排水されるように設定することです。
普段は水位(フロート)で動いているシステムに時間制御を組み合わせることで、「水が溜まっていなくても、2時間経ったら自動的に一定時間ポンプを動かして排水する」という仕組みを作ります。

この対策が特に効果的なケース

この「タイマー併用運転」は、建物の利用状況によって排水の量に大きな波がある現場で特に劇的な効果を発揮します。
 • 夜間や休日に排水の流入量が極端に少なくなるビルや店舗
 • これまでの運転間隔(ポンプが次に動くまでの時間)が2時間以上かかっていた場合

※注意点とアドバイス
タイマー運転を導入する上で、絶対に忘れてはならないのが「ポンプの空運転防止制御」を組み込むことです。
水が全くない状態でポンプが回り続けてしまうと、モーターが焼き付いて故障の原因になります。
そのため、「タイマーの時間が来ても、Lレベル(停止水位)以下まで水が減ったら強制的に運転をストップする」という電気的な安全対策を制御盤内に正しく組み込む必要があります。
必ず専門知識を持ったプロにご相談ください。

次回予告
今回は、水が溜まらない時間帯の腐敗を防ぐ「タイマー併用運転」について解説しました。
ここまでの3回で「水位の調整」や「時間の制御」という、今ある設備の設定変更でできる対策をお伝えしてきましたが、これらを行ってもまだ解決しない頑固な臭いもあります。
その原因は、そもそも「排水槽のサイズ」自体が建物に対して大きすぎるからかもしれません。
次回(第4回)は、一歩踏み込んだ抜本的な臭い対策「槽の縮小による適正化」についてご紹介します。
次回もぜひご覧ください!

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2026年 7月 2日掲載