【ビルピット(汚水溜め)シリーズ】第2回 少量をこまめに排出!「Hレベル(始動水位)」調整による臭気発生の抑制
はじめに
前回の第1回記事では、ポンプが止まる位置(停止水位=Lレベル)を下げることで、排水槽内に残る「死に水」そのものを減らす基本の対策について解説しました。
残る水を減らしたら、次に重要となるのが「汚水を槽の中に長く留め置かないこと」です。
シリーズ第2回となる今回は、もう一つの水位設定である「始動水位(Hレベル)」を調整し、汚水の滞留時間を短縮して臭いを抑えるメカニズムについてご紹介します。

始動水位:Hレベルとは
目的:汚水が溜まっている「時間」を短くする
排水槽の中に汚水が長い時間留まってしまうと、時間の経過とともに腐敗が進み、強烈な悪臭を放つようになります。
この対策の目的は、排水が排水槽内に滞留する時間を短くすることです。
腐敗が始まる前に、こまめに外へ汲み出す環境を作ります。
方法:フロートの始動位置を下げて、ポンプを細かく動かす
具体的な方法は、フロート(浮き)の始動位置を下側に変更することで、排水ポンプの始動水位(Hレベル)を下げることです。
これを行うことにより、排水ポンプの始動間隔(次の運転までの時間)を短くすることができます。
一回に溜まる汚水の量を少なく抑え、回転率を上げるイメージです。

この対策が特に効果的なケース
この「Hレベルの調整」は、すべての現場で同じように行うわけではありません。以下のような特徴を持つビルピットで特に高い効果を発揮します。
• 排水の流入量に比べ、始動フロートの位置が高すぎる(設定が深すぎる)場合
• 排水槽の底面積が大きく、水がなかなか規定の水位まで溜まらない場合
このような現場では、水が溜まるのを待っている間に腐敗が進んでしまうため、始動水位を下げる対策が非常に有効です。
※注意点とアドバイス
始動水位(Hレベル)を下げてポンプの起動回数を増やすと、今度は「ポンプの起動・停止の頻度が高くなりすぎて、モーターに負荷がかかる」という別の懸念が出てくる場合があります。
実は、流入量が非常に少ない現場などでは、「タイマー運転」を併用すれば、この始動水位(Hレベル)を無理に下げる必要がなくなります。
現場の状況に合わせて、水位調整かタイマー併用かを正しく見極めることが大切です。
次回予告
今回は、こまめな排水で滞留を防ぐ「始動水位(Hレベル)」の調整について解説しました。
注意点のコーナーでも少し触れましたが、水の流れ込みが極端に少ない夜間などは、水位の調整だけではカバーしきれない時間帯が出てきます。
そこで次回(第3回)は、時間で強制的に排水をコントロールする「タイマー併用運転による滞留防止」について詳しくご紹介します。
ぜひ次回もご覧ください!
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2026年 6月14日掲載
