2【給排水管メンテナンス入門シリーズ】 / 給排水管

【給排水管メンテナンス入門】第2回 うちのビルは大丈夫?給排水管の寿命(耐用年数)と「見えないサイン」

はじめに

前回の第1回では、給排水管のメンテナンスにおける2大工法「更新工事」と「更生工事」の違いについて解説しました。
「違いは分かったけれど、そもそも、うちのビルの配管は今どんな状態なんだろう?」 「まだ工事をしなくても大丈夫なのかな?」
そう疑問に思われるビルオーナー様や管理組合様も多いのではないでしょうか。給排水管は壁の中や床下に隠れているため、目視で劣化に気づくのは非常に困難です。
そこで第2回となる今回は、給排水管の一般的な「寿命(耐用年数)」と、劣化が始まっていることを知らせる「見えないサイン(予兆)」について分かりやすく解説します!

1. 給排水管の「寿命(耐用年数)」は何年?

給排水管の寿命は、「管の材質」によって大きく異なります。
建物の築年数と照らし合わせながら、ご自身のビルがどれに該当するかチェックしてみましょう。

亜鉛メッキ鋼管(SGP-W):寿命 約15年〜20年
昭和の時代から平成初期の建物に多く使われていた鉄製の管です。
水に触れると非常にサビやすく、築15年を過ぎたあたりから赤サビによるコブができ、水の通り道が狭くなったり、サビが原因で穴が開く(ピンホール漏水)トラブルが多発します。

塩化ビニルライニング鋼管(VA鋼管など):寿命 約20年〜30年鉄管の内側にサビ止めの塩化ビニルをコーティングした管です。
直管部分はサビに強いのですが、「管と管の接続部分(継手:つぎて)」に鉄が露出しているケースが多く、そこから局所的にサビが進行して漏水を引き起こすケースが目立ちます。

樹脂管(ポリエチレン管・架橋ポリエチレン管):寿命 約30年〜40年以上
鉄管の内側にサビ止めの塩化ビニルをコーティングした管です。
直管部分はサビに強いのですが、「管と管の接続部分(継手:つぎて)」に鉄が露出しているケースが多く、そこから局所的にサビが進行して漏水を引き起こすケースが目立ちます。

※法定耐用年数との違いに注意!
税法上の「法定耐用年数」では給排水設備は15年と定められていますが、これはあくまで「税金計算上の寿命」です。実際の配管は、材質や使用状況によって20年〜40年ほど持ちます。

2. 放置は危険!管の中から発せられる「5つのSOSサイン」

配管は目に見えませんが、劣化が始まると日常生活のあちこちに「SOSサイン」を出し始めます。
以下の5つの項目に心当たりはありませんか?

• サイン 1:朝一番の水が少し「赤い」「茶色い」
長期間水を使わなかった朝や、休日明けの営業開始時に、蛇口からうっすら赤い水(または茶色い水)が出る場合、管の内部でサビが深刻化している証拠です。

• サイン 2:最近、なんとなく「水の出(水圧)」が悪い
「上の階に行くほどシャワーの勢いが弱い」「以前に比べて水の出が細くなった」と感じたら、管の内部にサビのコブ(錆瘤)がビッシリ詰まって、水の通り道が狭くなっている可能性があります。

• サイン 3:最近、なんとなく「水の出(水圧)」が悪い
見た目は透明でも、水を口に含んだときに鉄のような臭いや味がする場合は、サビが水に溶け出し始めているサインです。

• サイン 4:水道代が急に上がった、受水槽のポンプが回りっぱなし
使用量は変わっていないのに水道料金が急に上がった場合、見えない壁の中や地下で「目立たない漏水(微量なピンホール漏水)」が起きている可能性が極めて高いです。

• サイン 5:排水口から「ゴボゴボ」と音がする、異臭がする
こちらは排水管のサインです。管の内側に油脂(油汚れ)や尿石が固着して通り道が狭くなると、空気がうまく抜けずに異音がしたり、悪臭が上がってきたりします。

3. 築20年を超えたら、まずは「配管の健康診断」を

人間も40歳を過ぎたら人間ドックを受けるように、ビルも築20年を超えたら給排水管の「健康診断」が必要です。
「まだ水漏れしていないから大丈夫」と放置していると、ある日突然、壁の中で配管が破裂し、階下のテナント様や入居者様の財産を水浸しにしてしまう大惨事になりかねません。
特に以下のようなビルは、早めの診断をおすすめします。

• 過去に一度も配管の点検・高圧洗浄をしていない
• 築20年以上で、前回のメンテナンスから10年以上経っている
• 近隣の似たような築年数のビルで漏水事故があった

まとめ:うちのビルはどちらを選ぶべき?

給排水管の寿命は、素材によって20〜30年が一つの目安です。そして、赤水や水圧低下などの「小さなサイン」を見逃さないことが、ビルの寿命を延ばす最大の秘訣です。
早めに状態を把握できれば、費用を抑えられる「更生工事(コーティング)」で対応できますが、完全に手遅れになると高額な「更新工事(全面交換)」しか選択肢がなくなってしまいます。

次回は、これらのサインを放置してしまった場合に起きる、恐ろしい「第3回:放置するとどうなる?漏水が引き起こす『損害賠償』と『資産価値』のリスク」について詳しくお話しします。


★ビオスからのワンポイントアドバイス

給排水管の状態は、外見からは絶対に分かりません。
当社ビオスでは、特殊な「内視鏡カメラ」を使って、オーナー様の目の前で実際の配管内部をお見せする診断を行っています。
「うちのビルは大丈夫かな?」と少しでも不安になったら、手遅れになる前に、ぜひお気軽にビオスの無料診断へご相談ください。

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