【給排水管メンテナンス入門】第1回 そもそも給排水管の「更新工事」と「更生工事」の違いって何?
はじめに
建物全体の快適さと資産価値を守るうえで、絶対に避けて通れないのが「給排水管」のメンテナンスです。
築年数が20年、30年と経過すると、管理会社や専門業者からメンテナンスの提案を受ける機会が増えてきます。その際、必ずと言っていいほど登場するのが「更新(こうしん)工事」と「更生(こうせい)工事」という2つの言葉です。
文字はとても似ていますが、工事の内容、費用、そして建物の未来に与える影響はまったく異なります。
今回は、初心者向けブログの第1回目として、この2つの工事の違いについて分かりやすく解説します!

1.「更新工事」とは?(配管の全交換)
一言でいうと、「古くなった配管をまるごと取り外して、新しい配管に交換する工事」です。
人間でいうなら「血管の移植手術」のようなものです。
壁を壊したり、床を剥がしたりして古い管を取り出し、サビない最新の素材(ポリエチレン管など)へ全面的に刷新します。
更新工事のメリット
• 配管が新品になる: 当然ですが、寿命はそこからさらに30年〜40年と劇的に延びます。
• 材質の向上: 昔の鉄管とは違い、現在の主流である樹脂製の管はサビる心配がほぼありません。
• 資産価値の大幅な向上: 「配管更新済み」の物件は、中古市場や入居者募集において非常に強いアピールポイントになります。
更新工事のデメリット
• 費用が高額: 壁や床の解体・復旧費用も含まれるため、工事全体のコストが膨らみます。
• 工期が長く、生活への影響が大きい: 部屋の中での作業が必要になり、長時間の断水や騒音、職人の出入りが発生します。
2.「更生工事」とは?(配管の内側コーティング)
一言でいうと、「今ある配管をそのまま活かし、内側をきれいに掃除してコーティングする工事」です。
業界では「ライニング工事」や「ペイント工事」とも呼ばれます。
人間でいうなら「血管のカテーテル治療」や「管の内視鏡手術」に近いです。管の内側に溜まったサビや汚れを特殊な機械で削り落とした後、エポキシ樹脂などの塗料を吹き付けて内壁を保護します。
更生工事のメリット
• コストを大幅に抑えられる: 壁や床を壊す必要がほとんどないため、更新工事の「半分〜数分の1」の費用で済むケースが多いです。
• 工期が短い(スピード施工): 断水時間や部屋の立ち入り時間が短く、入居者様への負担を最小限に抑えられます。
更生工事のデメリット
• 配管自体の寿命は延びるが「新品」にはならない: あくまで延命処置(一般的に10年〜15年前後)です。すでに管自体が薄くなっている、あるいは穴が開いているような重度の劣化には対応できません。
• 施工できる回数に制限がある: 何度も繰り返せる工事ではありません。
3. ひと目でわかる!「更新」と「更生」の比較表
どちらを選ぶべきかの判断基準となるポイントを、表にまとめました。

まとめ:うちのビルはどちらを選ぶべき?
「高価だけど将来安心な更新工事」と「安くて手軽な更生工事」。どちらが正解ということはありません。
大切なのは、「現在の配管がどれくらい傷んでいるか(劣化度)」と「そのビルをあと何年維持したいか(経営計画)」の2つの視点です。
例えば、築20年でまだ配管の痛みが少なければ「更生工事」でコストを抑えて寿命を延ばすのが賢い選択ですし、すでに築40年近く経っていて漏水が多発しているなら、思い切って「更新工事」をすべきタイミングです。

次回は、愛着あるビルを守るための第一歩として、「第2回:うちのビルは大丈夫?給排水管の寿命と『見えないサイン』」についてお届けします。
管の中から発せられるSOSを見逃さないコツを解説しますので、ぜひお楽しみに!
★ビオスからのワンポイントアドバイス
給排水管の状態は、外見からは絶対に分かりません。
手遅れになって大がかりな「更新工事」しか選べなくなる前に、まずは専門業者による「配管の内視鏡診断(健康診断)」を受けることを強くおすすめします。
当社ビオスでも、オーナー様のニーズに合わせた最適な工法をご提案しております。
