2025.03.05
【錆(さび)の話し】資源枯渇の時代に対応したステンレス鋼の使い方
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2025.03.05
ステンレス鋼(Stainless Steel=錆び難い鉄)とは、鉄にクロムを加えた鉄合金です。
かつて、その定義は曖昧で、「クロムを概ね13%以上含んだ鋼」などとされておりましたが、1988年1月、WCO(World Customs Organization / 世界税関機構)にて、「炭素が1.2%以下で、クロムを10.5%以上含む合金鋼」と定義され、現在に至っております。
鉄自体は3000年以上前の鉄器時代から使われてきましたが、ステンレス鋼は使われるようになってまだ、100年しか経っておりません。
鉄はサビやすい金属のため、人と錆の付き合いも古くからあります。
ステンレスは若い素材であり、年々新しい鋼種が誕生しており、それに伴い新しい用途が広がっております。
二相ステンレス鋼とは
二相ステンレス鋼とは、オーステナイト系ステンレスとフェライト系ステンレスを1:1の割合で二相混合したステンレス鋼のことを指します。オーステナイトとフェライトそれぞれの金属組織(二相)を持ち、長所をかけ合わせた物理的性質を持っています。
高い強度と優れた耐食性がこの材質の強みで、耐応力腐食割れにも優れているために、水門、トンネル、下水道設備、海水淡水化プラント、復水器、工業用水や海水を用いた熱交換器、排煙脱硫装置、ケミカルタンカー、各種化学プラント用装置、塩化物イオンを含むプロセス環境に接する機器など、非常に幅広い用途で使用されています。
拡大する二相ステンレス鋼の用途
近年二相ステンレス鋼の構造用ステンレス鋼としての適性が注目され、東北震災復興を機に、河川や防災施設等への採用が進み、国土強靭化やミニマムメンテナンス化に貢献しています。
防潮堤陸閘門
ソーラーパネル架台
ホームドア筐体
防災倉庫外装材
橋梁(水中梁)
ダム設備
ビオスまめ知識「東京の水はパリの水より腐食性が大きい」
給排水管の天敵、錆(さび)ってなぜ発生するの?
ビオスは、給排水更新・更生に関する幅広い知識や情報をわかりやすく皆様にお伝えしております。
例えば、日本の水はすべて軟水であることから、腐食の速さは他国に比べて高いそうです。
その訳は?
2025年 3月 5日掲載