2024.10.09
【排水処理技術】海外で貢献する日本の給排水処理技術
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2024.10.09
今後深刻化する水不足問題を解消するソリューションとして、日本の水技術が注目されています。
例えば、飲み水として使用できる淡水を精製する海水淡水化技術、下水浄化処理技術、生物浄化技術などは日本が世界に誇れる水処理技術です。
これらの技術を活用した装置は、中東やアフリカなどの水資源が不十分な地域で使用されています。
公益社団法人日本下水道協会HPより引用
日本の技術力を活かし、ODAの実施機関であるJICAは諸外国への水道分野の専門家派遣や研修生の受け入れなどを行っています。自然環境を損なうことなく、誰もが安全で清潔な水を利用できる未来を現実にするためには、日本を中心とした先進国の技術協力が求められています。
今回は、JICA事業により無電力・無放流の汚水処理システムをインド・デリーにパイロットプラントを設置した大成工業株式会社(本社:鳥取県米子市)をご紹介します。
無電力・無放流の汚水処理システムとは
大成工業(株)の汚水処理システムTSS(Taisei Soil System)はトイレなどの汚水を放流することなく、敷地内での処理を可能にする無放流処理装置です。
前処理装置に流入した汚水は、嫌気性処理された後、土壌処理装置に送り込まれ、土壌微生物による好気性分解が行われます。
従来の地下浸透方式と異なる無放流方式なので、環境を汚染する心配がありません。
以下、大成工業(株)公式サイトより引用
汚水処理システムTSSの特長
1.自然の浄化力を活かした汚水処理システム
土壌の洗浄力をフルに引き出す自然汚水処理システムなので、大地や地下水、川などを自然を汚しません。
2.大きな負荷変動に耐える
大きな負荷変動に耐えることができるので、一般の住宅・別荘はもちろん、利用者の変化の大きい公共施設や、公園や行楽地の公衆トイレなどに最適です。
3.電気のない所にも設置可能
ブロワーを使わない構造なので、電気のない所にも設置ができます。
(ただし、自然流下できない場所ではポンプが必要。)
4.維持コスト、労力が少ない省エネルギーシステム
自然の優れた浄化力をフルに活かしたシステムなので、従来の工法に比較して、維持費、労力の負担が少なくてすみます。
(大型になるほど差は大きくなります。)
5.素材が堅牢で、半永久的な使用が可能
浄化処理に用いられる浸潤散水処理資材タフガードや遮水シートBOX等は土圧に対し十分な弾力性を持ち堅牢です。また、耐酸性、耐アルカリ性、耐蝕性に優れ、半永久的な使用が可能です。
6.地下埋設なので上部を庭園、花壇に活用
土壌処理装置は地下埋設なので、上部スペースを庭園や花壇などに活用できます。
(地下から豊富な養分が供給されるため植物栽培に最適です。)
汚水処理システムTSSのフローシート
国際協力機構(JICA)事業によりインドへ
インドでは、全人口14億人中の約4割にトイレがなく、野外排泄をしている。農村部では宗教の影響もあり、トイレは不浄のものとされ、比較的裕福な家庭であっても敷地内にトイレを持たない家も多い。
不衛生な環境の中、0歳での死亡率は1,000人中27人で日本の15倍、5歳未満時の死亡率は1,000人中32.6人で日本の13倍になっている。
このようなインドの現状を踏まえ、2016年、汚水処理システムTSSはJICAの「中小企業海外展開支援事:インド国環境配慮型トイレの導入にかかる案件化調査~」に採択され、首都デリーにパイロットプラントを設置し、インド全国から関係官庁を招待して開催し、多くの関心表明を頂いた。
2017年には案件化調査の結果を踏まえ、「中小企業海外展開支援事業~普及・実証事業~」に採択され、インド・バラナシ市でのガンジス川流域の公衆トイレと、ムザファルナガル市にある1万人の学生が通う大学の学生寮に設置した。実証結果として、処理水BOD(生物化学的酸素要求量)値が1桁の値を保っている当、良好な結果が確認され、他の候補地の検討も進められている段階である。
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2024年10月 9日掲載