2024.05.13
【知っトク!なっ納!給排水管保守Info】連載-5 給排水管の種類と対策
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2024.05.13
■ 給水管の種類
鋼管
耐久性に優れ、強度が高い管ですが、腐食に弱いため、最近ではあまり採用されていませんまた。鉄管の重量や施工の複雑さもその理由とされています。
硬質塩ビライニング鋼管
硬質塩化ビニルを内面にライニングした鋼管なので、優れた機体的性能を持っています。内面ライニングに使用している硬質ビニル管は耐久性・防食性を有します。
HIVP管
水道用耐衝撃性硬質塩化ビニル管の略称であり、施工時の外部衝撃にも耐えられるように衝撃強度を高めた塩ビ管です。機能性は高い反面、急激な温度変化に弱い側面も持っています。
ポリエチレン管
優れた耐久性と軽量性、取り扱いの容易さを特徴としています。そのため、専有部の施工の時、給水管の中でも一般的な選択肢となっています。現在使用されているものは、熱や振動、化学物質にも強い性質を持ち、さまざまな用途に広く利用されています。
■ 給水管の対策
この硬質塩ビライニング鋼管は、鋼管の内側に硬質塩ビライニングを使用して腐食性に優れていることで、一般的に多く使用されています。 ところが、管と管を繋ぐ継手には防食対応がなされていない継手を使用しています。
20年~30年経過すると、この継手の部分から錆が発生したり、漏水が起こる場合があります。
この事に対応するためには、二つの対応が考えられます。 一つ目は、給水管全部取り替え(給水管更新工事)を行うことです。 二つ目は、延命工法で工事を行うことです。
例えば、給水管の内側をコウティングするライニング工事(給水管更生工事)です。
最近の建物では、継手が防食継手を使用して錆を防ぐ対策が施されています。
また、専有部は、腐食しないポリエチレン管の使用が一般的となっています。
従って、最近の建物は防食対策がしてあるため問題はありませんが、築20年~30年以上の建物は何らかのリユーアルが必要と考えます。
→ 給水管更生工事へ
■ 排水管の種類
鋼管(SGP)
建物で使用されている排水管の中で、は最も腐食しやすい管です。主に雑排水管や通気管で使用されています。鋼管なので錆びやすく、錆により閉塞し詰まったり、漏水したりします。
鋳鉄管
鉄や鋼より強度や硬度が高く、電気抵抗が高いため腐食に強い管です。その為、汚水管に適材として長らく使用されてきました。他方、伸びが小さく粘り強さに欠けるため、衝撃に弱いという弱点があります。
昭和30年代からは、強度や延性を改良したダグタイル鋳鉄管が主流になってきています。
硬質塩化ビニル管(VP)
硬質塩化ビニル管は強度、耐食性、経済性に優れた配管材です。専有部の横引き管や地下ピット内、また外構の埋設部に使用されています。このビニル管を更新することはほぼありません。
排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(VP)
内面が硬質塩化ビニル管であり、耐食性、耐薬品性に優れています。機械的強度は鋼管と同じです。したがって長いスパンも可能です。内面は平滑なビニル管のため、流量への影響が少なくてすみます。
■ 排水管の対策
鋼管は、腐食の進行が早く20年くらい経過すると、錆が管内に盛り上がり排水詰まりの要因になります。また、管の劣化により漏水が起こるが場合があります。
鋳鉄管は、鋼管より腐食に強いですが、この管も30~年40年経過すると、腐食により排水不良、漏水等が発生する場合があります。これらのことを考えると、築20年~30年になると、排水管のリニューアルを考えることが必要になってきます。
一つ目の方法として、排水管全面取り替え(排水管更新工事)。二つ目の方法として延命工法が考えられます。 延命工法としてこの様なものがあります。
ライニング工法・電気防食法・オゾン法・薬剤添加法・カルシュウム法・脱気工法・セラミック式工法・磁気式工法
一般的に言って、マンションの修繕計画には、外壁の修繕は計画されていますが、給排水の修繕工事の計画は予定していないところが多い様に思われます。
給排水は隠蔽部多くて、居住者には見えにくいため修繕が後回しになりがちです。
詰まり、漏水が発生すると大事故になりかねませんので、外壁と同様、早期の修繕計画をたてられることをお勧めいたします。
→ 排水管更生工事へ
次回は「給排水管の代表的な延命工法」です。
お楽しみに!