2018.06.29
給排水管、給湯管のサビについて
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2018.06.29
マンション等の建物は、耐用年数が60年位と言われています。特に、給排水、給湯設備は、築20年から30年位で腐食が進行し、築後25~30年位が寿命と言われています。
今回は、給排水、給湯設備でサビが発生する仕組みを、考えてみたいと思います。まず給水管ですが、以前は亜鉛メッキ鋼管が使われていました。蛇口をひねると、「赤水」が良く出ましたが、現在はその様な給水管は使われていません。最近は、ほとんど塩ビライニング鋼管(外側が鋼管で内側がビニールパイプ)か架橋ポリ管等のポリエチレン管が使われています。
ポリエチレン管は、ビニールパイプの様なもので腐食はしません。塩ビライニング鋼管は、管の内側にビニールパイプが入っており、基本的には、腐食は起こらないことになっています。しかし、継ぎ手の部分は塗料が塗布してありますが、ビニールパイルが入っていないために、ここからサビが発生します。最近はコア入り継ぎ手といって、ビニールが入っていますが、以前の物件には入っていません。
排水管は、以前、亜鉛メッキ鋼管がよく使われていました。また、汚水管には鋳鉄管がよく使われていました。(最近は一般的にダグタイル鋳鉄管を使っています)鋳鉄管は、鋼管より厚みもあり腐食しにくいですが、鋼管は薄く、地肌が亜鉛メッキだけのため、水や洗剤等で劣化しやすくなっています。
給湯管は、以前は亜鉛メッキ鋼管を使っていました。温度が高いため、腐食によるメッキの損耗は水道管よりずっと早く、サビこぶが発生して、赤水となることがよくありました。最近の施工には、銅管、ステンレス管、耐熱塩ビ管が使われています。銅管は、良い耐熱性を持っていますが、水道水の殺菌用の塩素が孔食の発生を促進させます。
ホテルや病院では、お湯は一度貯湯槽に貯められますので、ここでほとんど塩素が飛んでしまいますが、家庭のシステムでは直接配管へ送られるので、影響が出やすくなります。また、銅管のエルボでは、直管部の20倍の腐食が発生することが、確認されています。エルボの内側は外側に比べて流速が遅くなりますが、その流速差で、エルボの内側にサビが発生します。これを、流速差腐食と言います。